12月に喪中を迎えた際、どのように喪中はがきを扱い、すでに用意していた年賀状をどうするか、という疑問を持つ方は少なくないでしょう。
年末の忙しい時期に、喪中はがきを送る時間を見つけるのは困難な場合も考えられます。
そんな時、松の内が終わる1月8日から2月4日の立春前までに寒中見舞いを送ることで、喪中はがきの代用として利用することが一般的です。
今回は、12月に喪中を迎えた場合にどのように対処すれば良いか、喪中はがきと寒中見舞いに焦点を当てて詳しく解説します。
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12月に喪中になった場合…喪中はがきはどうすればいい?

12月初旬に喪中になった場合、できるだけ喪中はがきを送る努力をすることが大切です。
12月15日までには、喪中はがきを受け取ってもらえるように送付する必要があります。
これは、相手が年賀状を送る前に喪中の情報を知らせるためです。
喪中はがきは、「年賀欠礼のお知らせ」とも呼ばれ、新年の挨拶を控える旨を伝えるものであり、故人の訃報を伝えるものではありません。
ですので、どうしても時間や状況が許さない場合は、無理に送る必要はありません。
12月中旬以降に喪中になった場合、年賀状の受付開始日を過ぎてしまったら、喪中はがきを送るのを避け、新年が始まってから寒中見舞いを送るのが適切です。
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す場合の時期は?
喪中はがきを送ることができる場合、それが最も適切です。
しかし、適切な時期を逸してしまうと、受け取った方がどのように対応すれば良いか困惑してしまう可能性があります。
喪中はがきを送る最適な時期を逃してしまった場合には、焦らず冷静に寒中見舞いを喪中はがきの代替として利用しましょう。
寒中見舞いはいつからいつまで?
寒中見舞いは、松の内が明けた1月8日から2月3日までの間に送るのが一般的です。
ただし、関西地方では松の内が1月15日までとされる場合もあるため、その地域に送る場合は注意が必要です。
寒中見舞いは、寒さの厳しい時期に相手の健康を気遣うものとして、また喪中はがきの代わりとしても利用できます。
2月4日以降は「余寒見舞い」となるため、それまでに送付するのが望ましいです。
喪中はがきはいつからいつまで?
喪中はがきは、通常11月から12月上旬にかけて送るものです。
それ以前の9月、10月などに送ると、相手が忘れてしまう可能性があるため注意が必要です。
というわけで喪中はがきは、年賀状の送付準備が始まる前の11月から12月初めに送りましょう。
年賀状の受付が12月15日から始まるので、その前に届くように計画しましょうね。
喪中はがき、正式には「年賀欠礼状」と呼ばれ、新年の挨拶を控える旨を伝えるものです。
もし、喪中はがきを送れなかった場合でも、寒中見舞いを利用して情報を伝え、相手に気を使わせないよう心掛けましょう。
寒中見舞いと喪中はがきのマナーの類似性

寒中見舞いと喪中はがきは、それぞれ特有の作法やマナーに則って書かれるものです。
他の季節の挨拶カードにも、伝統的な書き方の規則が存在しており、これらを理解し、適切に使い分けることが大切です。
エチケットやマナーを守ることで、相手に対する敬意が示されるからです。
喪中はがきを送る場合や、寒中見舞いの際に喪中を伝える際には、これらのマナーを参考にするとよいでしょう。
フォーマルな印象を与えるため縦書きに
フォーマルな印象を与えるため、縦書きを採用しましょう。
喪中はがきや、喪中を伝える寒中見舞いは、縦書きで書くのが一般的です。
現代では横書きのものも増えていますが、それがもたらすカジュアルな印象は避けたい場合があります。
寒中見舞いと喪中はがきの書き方には以下の点を注意してください。
・頭語と結語は使わない
・句読点を使用しない
・各行の先頭を一字下げしない
・縦書きの際、数字は漢数字を用いる
頭語と結語、例えば「拝啓」や「敬具」など、文章の冒頭と終わりに用いられる言葉は、これらのはがきでは省略します。
喪中はがきでは、「喪中のため年始の挨拶を控えます」という旨を明示する必要があります。
また、寒中見舞いでは、「寒中お見舞い申し上げます」といった冒頭の挨拶が不要です。
句読点と行頭一字下げは、主に子供が文章を読む際の助けとして導入されました。
明治時代から、学校教育の中でこのような書き方が取り入れられています。
段落の先頭を一字下げするのも、読み手にとって文章が読みやすくなる工夫の一つです。
しかし、これらの書き方は、伝統的な文書では控えられることが多いです。
縦書きの数字を漢数字で書くのは、一般的なマナーです。
特に、フォーマルな手紙を書く際にはこの点を念頭に置いておくと良いでしょう。
これらのマナーを守りながら、相手に対する敬意を忘れずに、文書を書くことが求められます。
お祝いの言葉やネガティブな意味合いを持つ言葉を避ける
おめでたい言葉やネガティブな言葉は文中に使用しないようにします。
禁止されている言葉の例
・新年を祝福する「年賀」や「謹賀」
・繰り返しの言葉やタブーとされる言葉
喪中は、祝福の意を示す行為や言葉を避ける期間であり、寒中見舞いも元々は相手の健康を願うメッセージで、新年の祝い事とは異なるものです。
「年賀」や「謹賀」は新年を祝う表現であるため、これらを避け、「年始」や「年頭」といったフレーズを使う工夫が必要です。
忌み言葉は、通常の会話で頻繁に用いられるものでも、特定の状況や場で不吉や不運を連想させるとして避けられる言葉です。
また、重ね言葉は、同じ言葉やフレーズを繰り返して使う表現で、これが「不幸が続く」といったネガティブな意味合いを持つと解釈されることから、適切でないと考えられています。
忌み言葉の具体例としては、「死」、「死去」、「亡くなる」などの死に関連する直截な表現や、「去る」、「去年」、「失う」、「倒れる」、「病む」、「枯れる」、「別れる」などがあります。
重ね言葉の例には、「度々」、「しばしば」、「いろいろ」、「重ね重ね」、「くれぐれも」、「わざわざ」などが挙げられます。
これらの言葉やフレーズは、喪中や寒中見舞いのメッセージには含めないよう注意を払い、相手に対する敬意を保ちつつ、適切な表現を選ぶ必要があります。
これにより、相手の感情を考慮した配慮深いメッセージを送ることができるでしょう。
寒中見舞いと喪中はがきの書き方とその相違点について

喪中はがきは新年の挨拶を遠慮する旨をストレートに伝えるもので、寒中見舞いは相手の健康や安泰を思って送るメッセージです。
これにより、それぞれの文の構成に違いが生じます。
なかなか日常で書く機会がないため、表現が難しいこともありますね。
以下で、それぞれのはがきの文例と特徴を詳しく見ていきましょう。
喪中はがきの典型的な文例
はじめの挨拶
故人の情報
感謝の言葉と続く年への期待
日付
例:
喪中につき年始のご挨拶謹んでご遠慮申し上げます
○月○日に○(続柄)○(名前)が○歳で永眠いたしました
本年中に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げます
明年も変わらぬご厚誼を心よりお願い申し上げます
○年○月
このような喪中はがきでは、新年の挨拶を控える旨を伝えるのが一番の目的です。ですから、家族の近況報告や他のニュースを加えることは避けるべきです。
喪中の期間中に寒中見舞いを送る際の文例
典型的な以下の型に沿って作成しましょう。
初めの言葉
喪中であることと新年の挨拶を省略した理由
遅延してしまったお知らせに対する謝罪
故人への感謝の表現
相手の健康を気遣う言葉
送付日
寒中お見舞い申し上げます
前年○月に家族の○がこの世を去り新年の挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことお詫び申し上げます
故人へのご厚情感謝申し上げます
寒い日々が続きますがお身体を大切にお過ごしください
本年も変わらぬお付き合いのほど謹んでお願い申し上げます
○年○月
寒中お見舞い申し上げます
昨年○月○が○歳にて永眠いたしましたため
新年のご挨拶を遠慮いたしておりました
ご通知遅れましたことを深くお詫び申し上げます
故人に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げます
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
○年○月
喪中の際の寒中見舞いの特徴は、相手の健康と幸福を祈る言葉を添えることです。
通常、寒中見舞いには近況報告が含まれることが多いですが、喪中の場合にはそれを避け、特に幸せな出来事(結婚、出産など)については触れないようにします。
これは、喪中の場合、相手が返事を書く際にどのように対応すればよいのかを迷わせてしまう可能性があるからです。
もし喜ばしい近況を伝えたい状況であれば、寒中見舞いとは別の機会に報告する方法を取り、両方の情報を一緒に送らないよう注意しましょう。
これによって、相手にとっても適切なやりとりが保たれ、感謝と尊敬の気持ちがしっかりと伝わるでしょう。
喪中期間に届いた年賀状への返答文例
典型的な以下の型に沿って作成しましょう。
あいさつ
年賀状への感謝
喪中で新年の挨拶を控えた理由
遅くなったお知らせに対する謝罪
相手の健康と幸福を祈願する言葉
日付
寒中お見舞い申し上げます
お心遣いいただきました年始のご挨拶
心から感謝申し上げます
昨年○年○月に家族の○が永眠いたしましたために
新年のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げますと共に
皆様のご健康と実りの多い一年をお祈りいたします
○年○月
喪中はがきを送らなかった場合、年賀状を受け取ることがあります。
喪中であっても年賀状を受け取ること自体に問題はありません。
それに対しては、寒中見舞いを通じてお礼と、新年の挨拶を控えた理由のお知らせを送るのが良いでしょう。
「年賀状」という言葉自体がお祝いのニュアンスを持っているため、それをそのまま書くのを避け、「年始のご挨拶」や「お年始状」と言い換えて表現しましょう。
これにより、喪中であることを配慮しつつ、相手への感謝の気持ちを適切に伝えることができます。
12月に家族が亡くなった際の年賀状の対処法

以下では、家族が12月に亡くなり喪中となった際に、既に準備していた年賀状の扱い方について詳しく説明します。
1. 年賀状をまだ投函していない場合
もしも、年賀状をすでに準備していたが、まだ投函していない場合、以下のステップを踏んで対応してください。
最寄りの郵便局へ直接年賀はがきを持参する
そこで家族が喪中である旨をスタッフに伝える
必要な書類を提出して正規の手続きを行う
これによって、既に購入していた年賀はがきを通常の切手やはがき(弔事用も含む)に無料で交換してもらえるサービスがあります。
2. 年賀状を既に投函した場合
年賀状を既に投函してしまったケースでも、対処法はあります。
速やかに最寄りの郵便局に連絡を取る
年賀状の回収を依頼する
配達前であれば、郵便局は配送を止めて年賀状を返却してくれます。
ただし、条件として年賀状がまだ差出地の集配局を出ていないことが条件です。
出てしまっている場合は、一定の手数料が発生する場合がありますので、その点は注意が必要です。
これらの手続きを通じて、喪中の期間中にも適切に年賀状の対処を行い、他の方々への配慮と敬意を示すことができます。
喪中のアナウンスメントと、それに伴う年賀状の対応は、故人を偲びつつ、周囲への情報提供となります。
まとめ
・寒中見舞いは、毎年1月8日ごろから2月3日までの期間に送付され、喪中のお知らせも含めることが可能です。
・喪中はがきは11月から12月初旬の間に発送され、新年の挨拶を控える旨を通知する目的があります。
・両方のはがきで避けるべき要素は「頭語と結語」、「句読点」、「行頭を一字下げる」スタイルで、数字は漢数字で表記します。
・使ってはならない表現には、「新年を祝う言葉」、「重ね言葉」、「忌み言葉」が含まれます。
・年賀状や干支など、新年を象徴する要素は避け、落ち着いたデザインのはがきを使用することが推奨されます。
・喪中はがきは新年の挨拶を控えるというメッセージが中心なので、家庭の近況報告は控えるべきです。
・喪中の期間中に寒中見舞いを送る場合は、喪中である旨の報告と同時に、相手の健康を思いやるメッセージを添えます。
近年、年賀状を送る文化が減少傾向にあり、これに伴い、これらの伝統的なマナーに触れる機会も減っているように感じます。
しかし、はがきによるコミュニケーションが主である場合もあり、その際には、伝統やマナーを大切にし、相手を尊重し思いやる姿勢を忘れずにいたいものです。
これらのガイドラインとマナーは、相手への敬意を示し、きちんとしたコミュニケーションを保持するためのものです。
それぞれの場面や相手に合った言葉を選び、心温まるメッセージを送りましょう。