洗剤を使うときに、「何倍に薄める」という表現を目にすることがありますよね。
例えば「4倍に薄める」や「10倍に薄める」といった表記が見られます。
ところが、こうした薄め液を実際に作ろうとすると、案外どのように準備すれば良いのか迷うことがあります。
そこで、ここでは、薄め液を作る際の基本的な考え方、具体的な原液の量や水を加える量の計算方法、そしてもっと手軽な作り方について、わかりやすくご説明します。
Contents
10倍希釈ってどう作る?どんな計算式になる?
まずは「10倍希釈」とは何か、その意味からお話ししましょう。
この「10倍希釈」というのは、原液を水などで10倍の量に薄めることを意味しています。
例えば、1リットルの薄め液を作る場合、原液は1リットルの10分の1、つまり100ミリリットル必要になります。
それでは、この量をどのように計算するのか、その方法を見ていきましょう。
まずは、計算式の確認から。薄め液を作るための計算式は非常にシンプルです。
単位が異なる場合は揃えて(例えばリットルをミリリットルに換算するなどして)、次のような式に当てはめます。
10倍希釈の計算式
【原液の量を求める計算式】
求めたい薄め液の全量÷希釈倍率=必要な原液の量
例として、10倍に希釈する1リットルの薄め液を作る場合、1リットルは1000ミリリットルですので、計算式は次のようになります。
1000ml÷10=100ml
これにより、原液は100ml必要だということがわかります。
続いて、加えるべき水の量を計算しましょう。
【水の量を求める計算式】
目指す薄め液の全量-必要な原液の量=加える水の量
これを1リットルの例で考えると、以下のようになります。
1000ml-100ml=900ml
したがって、水は900ml必要ということになります。比率で表すと、原液1に対して水9の割合です。
確かにこれだけ聞くと、少々複雑に感じるかもしれません。
しかし、安心してください。
実際には、目指す薄め液の量がわかっていれば、もっと簡単に薄め液を作ることができるのです。
次に、そのよりシンプルな希釈の方法をご紹介しますので、ぜひお試しください!
計算不要!10倍希釈液の簡単な作り方
手軽に薄め液を作る最も簡単な方法は、まず原液を容器に注ぎ、次に必要量に達するまで水を足すという手順です。
例えば、使用する容器がスプレーボトル、洗剤のボトル、加湿器などで、その容量が決まっている場合は、容器の全容量を把握しておくことが重要です。
もし容器の容量が不明な場合は、1リットル容量のペットボトルを使用すると計算がしやすくなります。
500ml容量のスプレーボトルで10倍希釈液を作る場合
こちらでは、先ほどの計算式に従って、原液は50mlとなります。
ですので、スプレーボトルに先に50mlの原液を注ぎます。その後、ボトルがいっぱいになるまで水を加えれば、10倍希釈の溶液が完成します。
この方法なら、水をどれだけ加えれば良いかを計算する手間が省けますので、非常に簡単です。
1リットルのペットボトルで作る場合
1リットルのペットボトルを使用する場合、1リットルは1000mlとなりますので、10倍希釈の場合、必要な原液の量は100mlです。
この100mlをペットボトルに入れ、後はペットボトルの口まで水を加えれば、10倍希釈の溶液の完成です。
この場合、加えた水の量は自然と900mlとなります。
「100mlが具体的にどのくらいか分からない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、計量カップを使用すれば、100mlは100ccと同じです。
つまり、カップの半分を入れることに相当します。
希釈液作成のための原液と水の比率表
最終的に、1リットルの薄め液を準備する際に必要な原液と水の割合をひと目で理解できるように、下記に一覧表をご用意しました。
これを参考にすることで、必要な原液の量を簡単に把握し、それに基づいて様々な希釈液を作成することが可能です。
1リットル(1000ミリリットル)の薄め液を作成する際の比率表
希釈率 | 原液の量 | 水の量 |
4倍 | 250ml | 750ml |
5倍 | 200ml | 800ml |
10倍 | 100ml | 900ml |
30倍 | 30ml | 970ml |
50倍 | 20ml | 980ml |
この表を活用することで、「作りたい薄め液の総量」を「希望する薄める比率」で割ることにより、「必要な原液の量」が簡単に算出できます。
この基本的な計算をマスターすれば、さまざまな量や比率で薄め液を作る際にも応用が利くでしょう。
まとめ
今回は洗剤の10倍希釈を始めとする、簡単で正確な薄め液の準備方法をお伝えしました。
希釈液の作り方は思ったよりシンプルで、基本的な計算式さえ理解しておけば、容器の容量に合わせてスムーズに調整できます。
特に、原液を先に入れ、その後で水を加えるという手順は、計量の手間を省き、作業を簡単にします。
さらに、1リットルの薄め液を作る際の原液と水の量を一覧表にまとめたので、これを使えば、希望する希釈率での準備が一目でわかります。
希釈液作りに迷ったときは、この一覧表を参照し、正確な割合で簡単に薄め液を作ってみてくださいね。