毎年秋がくると、さつまいもが食べたくなりますね。
家族行事として毎年さつまいも堀りにいくご家庭も多いでしょう。
また子どもたちが幼稚園の遠足でさつまいも掘りに行くと、いつも何本もの立派なさつまいもを持って帰ってくるので、秋の季節は毎晩のようにさつまいもの料理がテーブルを彩る…なんてこともあるかと思います。
さつまいもで作るほっくりとしたご飯、カリッとしたさつまいもの天ぷら、自家製のスイートポテト、アツアツの焼き芋、カラメルが絡んだ大学芋など、さつまいも料理のバリエーションは尽きません。
しかし、収穫量があまりに多いと、どうやって美味しく長く保存するかが課題になります。
そのための便利な保存テクニックをお伝えします。
Contents
さつまいも大量収穫後の保存プロセス

①保存用のさつまいもを選ぶ
皮がはがれたり、傷がついたりしたさつまいも、または小さなさつまいもは、傷みやすく長期保存には適しません。
これらは優先して消費しましょう。
もし傷ついたものが多くてすぐには食べきれない場合は、
・蒸してマッシュにし、アルミカップに分けておけば、手軽なスナックとして楽しめます。
・焼き芋にして冷ます。
・スライスやリング状に切ってから茹でるか蒸す。
・生のままスティック状やリング状に切り、これらをそのまま冷凍保存することができます。
②さつまいもをしっかりと乾燥させる
収穫したばかりのさつまいもは、泥をつけた状態で直射日光の下に置きます。
(これは掘り出したその日に限ります)
次の日やその後の日(2日目から3日目)には、直射日光を避けて風通しの良い日陰で乾燥させます。
この手順によって、さつまいもはより甘くなり、表面に残った水分が蒸発します。
乾燥した土は、さつまいもから払い落としてください。
③新聞紙にくるんで保存
我が家では、お米を作っているので、秋の稲刈りが終了してから、もみ殻とさつまいもを段ボールの箱や発泡スチロールに詰めて保管しています。
もみ殻がない場合は、新聞紙に1本ずつ、細いさつまいもは数本まとめて新聞紙にくるみます。
※細いと傷みやすいのでなるべく保管は避けたほうが無難です
寒さが苦手なさつまいもに布団を包んで温めてあげるイメージです。
段ボール、または発泡スチロールに入れます。
寒い地域は発砲スチロールがおすすめ。
寒さが厳しくない地域や、部屋の中で保存する場合は、段ボールでOK。
冬季に向けて保温性の高い発泡スチロール製の容器の使用を、寒冷地にお住まいの方には特に推奨します。
ただし、密封しすぎると湿気が溜まり、それが腐敗の促進因子になるため、注意が必要です。絶対にビニール袋での保管は避けてください。
通気性を確保するために、段ボールやスチロールの蓋には複数の小さな穴を開けることが肝心です。
さつまいもが劣化し始めると、表面がしわしわになることが一般的です。
色が濃く変化することもありますし、触った時に柔らかくなり、粘り気が出てくることもあります。
白や青のカビが生じることもあり、これらは色の変化や異常な柔らかさが見られた時には、それらが腐敗している兆候であるため、速やかに廃棄することが望ましいでしょう。
④保存の適切な環境を整える
さつまいもを新鮮な状態で長く楽しむためには、安定した温度を維持し、日差しの届かない冷ややかな場所に保管することが肝心です。
特に寒冷地にお住まいの方は、冷蔵庫の頂部など、家庭内の比較的温度変化の少ない場所に箱を置くのも有効な手段です。
さつまいもが最もよく貯蔵されるのは、温度が約13~15度、湿度が80~90%の条件下です。
温度が20度を超えてしまうと、発芽のリスクが高まります。
温度と湿度が安定している環境を見つけて、そこに保存するのがベストです。
保存の期間と管理

さつまいもを適切に保存すれば、3月頃までの保持が可能です。
長期間の保存を目指す際には、温度と湿度の安定維持が重要です。温度変化が激しいと、結露やカビの発生に繋がり得ます。
たとえダンボールや発泡スチロールを使用しなくとも、土がしっかり乾燥しており、温度が安定している環境下では、約1ヶ月の保存が見込めます。
しかし、3ヶ月以上の保存を考える場合は、温度と湿度のコントロールに専念することで、半年程度の保存実績もありますので、試してみる価値はあります。
さらに、劣化したさつまいもを発見した際には、他のさつまいもへの影響を防ぐため、迅速に取り除くことが推奨されます。
さつまいもの特徴と保存のコツ

さつまいもは土から抜け出してもなお、生命力に満ち、時間を重ねるごとにその真価を増していきます。
収穫したては美味しいですが、数日間静かに休ませることで、甘さがぐっと引き立ちます。
だから、収穫の日に急いで味わうよりも、掘り出してから約一週間ほど待ってから頬張る方が、よりいっそうの美味しさを約束します。
収穫後2〜3ヶ月が経過すると、その味わいは最高潮に達します。
ですので大量に収穫したさつまいもについて、早急に食べきらなくてはというプレッシャーを感じる必要はありません。
しかしながら、さつまいもは本来熱帯地方で育つ植物であるため、2℃以下の環境下では生命力を損ない、腐敗が始まるのです。
さつまいもは湿気を極端に嫌うので、洗うことなく長期保存しましょう。
保存に適したさつまいもの環境:
温度:13~15℃
湿度:80~90%
この条件を守れば、さつまいもは快適に過ごすことができます。
寒さに非常に敏感なさつまいもを、冷蔵庫の冷蔵室に入れるのは厳禁です。
どうしても保管する必要がある場合は、野菜室を最も低い設定(5度~10度)にして、できるだけ短期間に留めることをお勧めします。
そして、ビニール袋に長時間放置すると、結露がさつまいもを不幸にします。
ビニール袋は湿気を閉じ込めるため、さつまいもに水気が触れるとそこから腐敗が始まるのです。
掘り出した後のさつまいもは、ゆったりとした時間をかけて成熟する美しいプロセスです。
保存する際は、できるだけ適温に保ち、日々の気温変化にも気を配りましょう。
まとめ
秋の収穫期には、さつまいもがたくさん手に入りますね。
・水洗いせずに自然の光でしっかりと乾燥させる
・温度(13〜15℃)と湿度のバランスに注意を払う
これらの小さな配慮によって、さつまいもは長期に渡って保管することができるんです。
さつまいもは、便秘の緩和だけでなく、抗酸化による健康効果や肌の美白、美肌への効果も期待できるすばらしい食材。
豊富に収穫したさつまいもを賢く、そして美味しく保存し、できるだけ長くその恩恵を享受しましょう。