料理愛好家の間では、「タコ糸で縛る」ことはほぼ標準の工程としてレシピに登場します。
そして、よく訪れるスーパーの豚肉コーナーを見渡せば、タコ糸がそこに並んでいるのを見かけることでしょう。
たしかに、タコ糸を使って料理するのは少々面倒に感じるかもしれません。
しかし、「料理は愛情」とも言われているように、その手間が料理を一層美味しく仕上げる鍵になるのです。
とはいえ、なぜその手間を加えるのかを理解していないと、ただの煩わしい作業に感じられるだけでしょう。
そんなわけで、今回はチャーシューを作る際にタコ糸を使用する意義、タコ糸の使い方、そしてタコ糸を使わずにチャーシューを作る方法を皆さんと共有したいと思います。
タコ糸の使い方に頭を悩ませていたあなたにとって、これが嬉しい知らせになるかもしれませんね。
Contents
チャーシューをタコ糸で縛る理由って?
一つの大きな利点は形の保持です。
お店で目にするチャーシューの均一で円形なフォルムには、実はタコ糸が深く関わっているんです。
タコ糸の利用には、形の美しさだけでなく、他にもいくつかの素晴らしい効果があるんですよ。
ここで挙げるのは、タコ糸を使うことの3つのメリットです。
- 形の崩れを防ぐ
- 肉汁の損失を抑える
- 強度があり、食材に害を与えない
煮込みの過程で、鍋は自然と揺れが生じます。
加えて、形を整えようとして鍋の中で食材を転がすこともありますよね。
しかし、肉を無理に動かすのは逆効果。
なぜなら、肉が動くとその隙間から貴重な肉汁が流出してしまうからです。
この時、タコ糸が活躍するんです。
タコ糸でしっかりと締めることで、肉の動きを封じ込めることができ、形を崩さず、さらには肉汁を肉の内部に閉じ込めることができます。
タコ糸が選ばれる理由には、
・純綿であること
・耐熱性があること
・太さと強度を兼ね備えていること
などがあります。
食品と接触し、高温下で使用されることを考えれば、化学繊維は避けたいところです。
また、細い糸だと耐久性に欠け、肉を確実に固定できない恐れがあります。
こうした安全性と機能性を考えた末に、タコ糸が最適な選択として採用されているわけです。
これはまさに、料理の先達が培ってきた知恵の結晶と言えるでしょう。
楽しいチャーシュー作り!タコ糸でのしっかり固定術
おいしいチャーシューを作る秘密兵器、タコ糸の巻き方をお伝えしますね。
さあ、タコ糸を準備して、豚肉の一番上から2センチぐらいのところで、まずはひと結びしてみましょう。
終わりの部分は後で結ぶので、10センチくらいは余分に出しておくんです。
左手をぐーっとした手のひらでテニスボールを握るみたいにして、指で糸をかけて大きな輪っかを作ります。
その輪のなかにお肉を入れて、右手で糸を引っ張りながら、キレイな十字が描けるようにします。
輪っかと輪っかの間は、だいたい2センチくらいがちょうどいいです。
これをひたすら繰り返していきましょう。
お肉をひっくり返して、糸をお肉の長さに合わせてカットします。
最後に切った糸をくぐらせて、またまた十字を作るんです。
はじめに残しておいた糸の端を見つけて、それでしっかり結んじゃいます。
もっとがっちり縛りたければ、一回90度でねじって、お肉の横をぐるりと縛ってもOK!
でも、楽しく縛っているうちに形が変わっちゃうと悲しいので、ちゃんとキレイな形を保ちながら縛ってくださいね。
そして、キツキツに縛りすぎるとお肉がかわいそうなことになるので、ちょうどいい力加減で縛りましょう。
この方法で縛れば、形もばっちりキレイに仕上がって、料理している最中にほどけたりする心配もないんです。
でも、もしも「うーん、難しい!」って思ったら、ただぐるぐると巻くだけでも大丈夫です。
大切なのは、形をキープすること。だから、そのことだけを念頭に置いて巻いてくださいね。
チャーシューの写真が載ってるレシピを見ながら練習したり、動画を見ながら作ってみると、もっと上手にできるようになりますよ!
キッチンペーパーやタオルで豚肉の代わりに練習してみるのも、上達のコツですよ。
タコ糸ってどこで買える?簡単なチャーシューネットもご紹介
もしタコ糸を用いて自家製チャーシューを試みたい場合は、料理専用のタコ糸が不可欠ですよね。
「でも、料理専用のタコ糸って、どの店舗で手に入るのだろう?」と思われるかもしれませんが、安心してください。
チャーシューや煮豚などの料理に適したタコ糸は、一般的にスーパーマーケットやDIYショップのキッチン用品コーナーで見つけることができます。
また、100円ショップでの取り扱いもあるので、そちらを探してみるのも良いでしょう。
しかし、タコ糸は長期間保管すると、匂いが染みついたり色が変わったりすることがあるため、大量に購入することは推奨しません。
頻繁に使う方でなければ、100円ショップで見つかる量で充分です。
とはいえ、肉の塊にタコ糸を巻くのは少々手間がかかる作業です。
そこで、私が先日お肉屋さんで見かけたチャーシュー用のネットをご紹介したいと思います。
面倒なタコ糸をまく作業が省略できるのに、タコ糸効果が得られるという優れもの。
一度使ったみましたが、本当に簡単にお肉を縛ることができたのでおすすめです。
これを使えば、より手軽に、そして効率的にチャーシューを作ることができるようになりますよ!
糸を使わないチャーシューの形作り3種をご紹介
タコ糸でチャーシューを整えるのは、一筋縄ではいきませんね。
煩雑な手間は抜きにして、もっと手軽に済ませたいと思いませんか?
「そんなに手をかけずに済ませたい!」という声もあるでしょう。
そんな声にお応えして、「タコ糸なしでいける」という方法をお伝えします。
確かにプロのように仕上げる必要はないかもしれません。
大切なのは、食品安全を確保し、見た目が崩れず、ジューシーさを保持することです。
では、糸を使わない方法をいくつか紹介しましょう。
アルミホイルを活用する
アルミホイルはチャーシュー作りにおいて優れたアシスタントです。
その方法は以下の通りです。
- マリネした肉をアルミホイルで包み、形を整えます。
- アルミホイルで包んだまま、フライパンで全面を軽く焼きます。
- 表面が固まったら、そのまま20分程度置いてじっくりと熱を通します。
- フォイルを外し、タレでゆっくり煮込んでいきます。
- 火を止めてから1時間ほど余熱で完成させます。
(※調理時間は肉のサイズによって調整してください)
アルミホイルでの成形と加熱により、崩れを防ぎつつ綺麗に仕上がります。
煮込む際は、肉を崩さないように気をつけてください。
肉に味が染みるのは冷めてからですので、火を止めたらしっかり休ませることが重要です。
適した肉(形のきれいな肩ロース)選び
美味しいチャーシューの秘訣は、適した肉選びから始まります。
一般的には脂身の多いバラ肉が用いられますが、ここでは肩ロース肉を選んでみましょう。
肩ロース肉なら縛らずとも美しい形が期待できます。
これは、脂身が少なく崩れにくいためです。
ただし、肩ロースは硬い部位なので、低温で長時間煮込むことをお勧めします。
早く煮すぎると肉が固くなるので、時間をかければかけるほど柔らかくなります。
タレに浸す焼成法
こちらは「焼豚」に近いアプローチです。
通常、チャーシューは煮る過程で形が崩れがちですが、これを「全て焼きで解決!」というわけです。
タレによる長時間のマリネで肉に深い味わいを。
作り方は次の通りです。
- 事前に作ったタレに生肉を一晩漬け込みます。
- 漬け込んだ肉をオーブンで200℃で20分~30分焼きます。
- 残ったタレを煮立て、焼き上がった肉にかければ完成です。
(※オーブンの時間は肉の厚みによって異なります)
オーブンで焼くことにより、外はカリッと、内はジューシーなチャーシューが実現します。
我が家の定番!タコ糸で縛らない豚の角煮圧力鍋使用法
我が家のキッチンでは、角煮やチャーシューの調理に際して、伝統的な糸巻きは行わず、代わりに圧力鍋を駆使して肉の塊を煮込んでいます。
これまで形が不揃いになったり、風味が落ちた経験は一度もありません。
もし肉のフォルムに特にこだわりがある場合は、購入の際に最も整った塊肉を選ぶことがポイントです。
【材料】
・豚肉のかたまり肉(部位はバラ、肩、モモお好みで) 約500g
・醤油 大さじ6
・砂糖 大さじ3
・日本酒 大さじ3
・水 2カップ
・生姜 適量
- 豚肉に深く風味を染み込ませ、火を通しやすくするため、フォークで肉に穴を開けます。
- テフロン製フライパンを使い、高温で肉の表面にこんがりとした焼き色が付くまで焼きます。
- 圧力鍋に上記の食材と肉を入れて、高温で圧力をかけた後、低温で20分調理します。その後、安全ピンが落ちるまで待ちます。
- 圧力鍋の蓋を開けた後、再び中火にかけ、煮詰まるまで定期的に肉を転がします。この段階で煮卵や大根を加えて煮込むと、さらに美味しくなります。
お口でほろほろ溶けるようなチャーシューをお望みなら、バラ肉のブロックが最適です。
しっかりとした食感がご希望であれば方ロース肉を、
また炒飯などでご使用になる際には、モモ部位の固まり感が適しています。
まとめ
タコ糸を使う理由は、チャーシューや煮豚の形を整えることが一つの目的ですが、それだけではありません。
タコ糸を使用することによって、肉の表面に均一に圧力をかけ、調理中に形が崩れず、肉が美味しく仕上がるのを助けます。
また、タコ糸は調理中に肉をしっかりとまとめ、均一な厚みで調理できるため、美味しいチャーシューや煮豚を作るのに役立ちます。
ただし、タコ糸がなくてもチャーシューや煮豚を作ることは可能です。
圧力鍋や普通の鍋を使用して、ブロック肉を調理することができます。
タコ糸が手元にない場合でも、チャーシューや煮豚を作ることは楽しい料理体験となるでしょう。
もっと気軽にブロック肉を使って、美味しいチャーシューや煮豚を作ってみてくださいね!